「盆綱曳き」久冨熊野神社 8月14日 筑後市久冨
「久冨盆綱曳き」は地区の子供達(12歳まで)が全身に真っ黒い「すす」を塗り、わらでできた腰みのと角を身につけて行うお盆の伝統行事で地元では非常によく知られた馴染み深いイベントとなっています。
久冨盆綱曳きは1643年(寛永20年)から始まったとされている非常に歴史の古い伝統行事です。1996年には県の無形民俗文化財にも指定されています。
久冨盆綱曳きで使用される綱は上記の写真の通り非常に大きく、長さは約20メートル、直径は40センチにもなります。
鬼に扮した地区の子供達がこの綱を引きながら地区内を練り歩く事になります。綱を引く子供の数は毎年40~50人くらいとなってるようです。
この行事の由来は江戸時代に起きた大凶作で亡くなった人の霊を慰めるために始まったと伝えられており、当時の大凶作では特に子供が大勢亡くなったと言われています。
盆綱曳きの主となる意味は全身黒塗りの子供たちが鬼を演じ、その鬼が大凶作で亡くなった死者を長い綱で極楽浄土まで引き上げて救うというものです。
このような全身を黒塗りにする伝統行事は非常に珍しいようで毎年テレビ局の方が取材に来る事でも知られています。
熊野神社の境内で行われている為、一見すると神道の行事のようですが実際には仏教行事として伝えられており、大綱を作る際に使用される梁が観音堂(久冨観音堂)の梁である事がその証拠となっています。
行事の名称も正式には「久冨観音堂盆綱曳き」と言いますが一般的には「久冨盆綱曳き」または「盆綱曳き」と呼ばれているようです。綱曳きの「曳き」の部分も「引き」とされている事もあります。
以上、筑後市大字久富にある(久冨)熊野神社で行われている伝統行事「久冨盆綱曳き」のご紹介でした。
名称 | 久冨盆綱曳き |
場所 | (久冨)熊野神社 |
住所 | 〒833-0056 福岡県筑後市大字久富 |
日程 | 8月14日 鬼に扮する準備は8:30頃から 写真撮影は8:30~9:30 盆綱曳きは開始は10時からで12時頃まで行われています。 |